青銅器時代から陶芸が行われていたという利川(イチョン)は、高麗青磁、朝鮮白磁など世界的にも有名な陶磁器が作られている場所でもあります。
今回は、陶芸の街「利川」で陶磁器体験をしてきたので、詳しくご紹介していきます。
利川(イチョン)とは?
利川(イチョン)は、ソウルの南東に位置し、漢江の支流である利川に面した都市である。その歴史は古く、農村地域として栄えてきた。特に陶芸の歴史は古く、青銅時代から続く陶芸のメッカであり、朝鮮白磁の生産地として韓国を代表する陶芸エリアである。
朝鮮時代には王の療養温泉地としても利用されていた温泉の名所でもあります。
さらに、利川米はブランド米として有名で、ご飯も美味しいです。日本でいうと「コシヒカリ」のようなものでしょうか。
豊かな自然が広がり、特に美しい山々や清らかな川が周囲を彩る。歴史的な遺産も多く、古い村落や伝統的な建造物が残る。
これらの要素は、観光客を引き付ける魅力的な要因となっている。
また、利川は「アシュラ」などの韓国の映画やドラマの撮影地としても知られており、多くの作品がこの地で制作されてきた。そのため、訪れる人々が映画やドラマの舞台を巡ることも一興である。この文化的な側面も、利川の観光の一部を担っている。
古くから重要な拠点されてきたため、日本で例えると「京都」や「奈良」のような位置付けでしょうか。
利川陶芸村の場所と行き方は?
利川陶芸村はソウルの南東部に位置する。江南区から50km程度の距離なので、日帰りも十分に可能。
地図の色を見てもわかる通り、山間の中にある。非常に自然豊かでのどかな景色が広がる場所にある。
利川陶芸村への行き方
利川陶芸村への行き方は大きく分けると以下3つ
- バスで行く
- 電車で行く
いずれも所要時間は1時間半程度と同じくらい。いずれも近くまでは行けるが、横付けされるわけではないので、タクシーか徒歩が必要。
高速バス
最もオーソドックスな方法は「バス」です。所要時間は1時間20分程度。
主要なソウルのバスターミナルは、東ソウルターミナル(동서울터미널)、南ソウルターミナル(남서울터미널)、そして中央市場バスターミナル(서울중앙시장터미널)があります。
降車ターミナルは「利川ターミナル」となります。ターミナルからタクシーで10分程度。
電車
ソウル市内からは、京江線の乗換駅であるパンギョ(板橋)駅まで行き、京江線に乗って「新屯陶芸村駅」まで行きます。そこから路線バスに乗って陶芸村近くのバス停で降ります。
所要時間は1時間40分程度。
利川で陶芸した体験談
利川陶芸村で私の先輩の軍団長と陶芸に初挑戦した話をお伝えします。
私と軍団長は、ソウルのザ・リバーサイドホテルに二人で宿泊していました。
私「軍団長!時間が余ったから、マッコリ作りや陶芸にいきましょうよ!」
軍団長「そう?僕は部屋で待ってるからロビーで聞いてきて。」
ロビーに行って聞きに行くと
ボーイ「マッコリは…一週間前の予約が必要みたいですね。利川は私たちソウルの人間も行き方わかりません…」
私「陶芸の村に行きます!聞いてみてください!」
ボーイ「あれ?調べると…ほとんど乗り換え無しでいけますね。陶芸も当日行けるみたいです。」
私「早く!行きましょう!」
と軍団長を呼んできて、利川の陶芸の村にLet’s Goしました!
しばらく電車で行くと、田園風景がひろがっていました。
軍団長「畑ばっかりだねぇ!?ソウルからちょっと離れたら、こんななんだね!?」
田園風景を楽しむ時間も長くなく、陶芸の駅に着きました。
陶芸のモニュメントがある新屯陶芸村駅
真面目なのかふざけているのかわからない地名の新屯陶芸村駅に着きましtた。
別の出口から出たら、畑が広がっていて、遠くにはオバサンが歩いてました。
恐らく、逆かな?と思って逆側の出口に行くと信じられない光景が!?
びっくりしたのは陶芸のモニュメントが駅前にあって、まさに陶芸だけの街なのです!
まさに陶芸で生計を立てているような街並みです。
子供の頃から、陶芸のスパルタ教育でも受けてるんじゃないか?と思われるレベルの陶芸熱です。
陶芸教室にバスやタクシーで行こうと思いましたが、なかなか捕まりません。
日が暮れて陶芸教室が終わったら困るから、「歩いていきましょう!」ということになりました。
街を歩きながらビックリしたのはありとあらゆる場所に壺や陶芸品があるのです。
そこら辺の店や建物などにも壺や陶器がありましたし、壺や陶器を見ない家の方が珍しいくらいでした。
陶芸教室「古窯齋」に到着!
1.5kmくらい歩くと、陶芸教室がある辺りに着きました。
手前の建物に入ると40代くらいの男性と奥さんが陶芸をしていました。
さっそく声を掛けると、英語で説明してくれました。
色付けはどうするか?形はどうするか?など、細かい打ち合わせをしました。
単純な色にして青入れないで、青磁器ぽい素材を活かした色にすることにしました。
スープ麺類などに使えそうな深い皿や壺の形などサンプルはありましたけど、私たちは、サンプルと違ったカレー皿などに実際に使いやすいオリジナルな皿を提案しました。
タイ料理や東南アジア料理などが好きでカレーなどを食べたいと思ったからです。
オリジナル作品もOKだそうです。
二人分を私の家に送って、送料を安くしようかと思いましたけど、もし割れたら責任持てないですから、それぞれの家に送ってもらうことにしました。
食器の形に作った後は、先生が焼いてくれます。
陶器も見学しつつトイレを借りに行きました。
陶器の値段は数千円から八万円くらいで、クオリティは高く感じました。
トイレはぼっとんではないですが、田舎のトイレあるあるで、水は綺麗ですが、紙が詰まりやすかったです。
床屋も隣接されていましたね。
中学生くらいの息子さんも陶芸をされていて、有田焼を学びに日本に一緒に旅行に行ってみたりしたようです。
何かの賞をもらった時の写真もみせてもらい、まさに陶芸一家でした。
陶器の名入れが終わったら、お菓子とハーブティーがついてくるセットになっていました。
自作なのか、おもしろい形をしたティーポットでしたね。
薪のある食堂!?
陶器を作ったから終わりかと言いますと、これから面白いように事態が展開します。
陶器を作り終えたので、若干、山道もどきを歩くことにしました。
軍団長「さあ、食事だね。チェーン店に行こう。」
私「ガイドブックに載ってるところって、面白くなくないですか?こっち行きましょうよ。薪もあるし…おもしろいじゃないですか?」
軍団長「自分が行きたいだけだろ?まったく、しょうがないな…」
利川には「青木」という有名なお店がありますが、あえてマイナーな店に行きたかったので、薪が並べてある食堂に入りました!
「나맛비 장작불급탕 삼계탕」
店名を調べても出てきませんでしたのでネットで翻訳してみると
「ナマビ薪火給湯サムゲタン」
翻訳機ですから合っているかどうかはわかりませんけど…
ネーミング通りの名前ですね!
ザ・70年代の韓国みたいな雰囲気の店で、流れているテレビ番組も年配向けです。
トイレを借りると水洗ですが、ぼっとん風でした。
田舎を良く知らない人のために解説しておくと、田舎のトイレは水洗で水は流れるけど、下水は溜めておく汲み取り式なのです。
下水道が発達してない場所が、水洗ぼっとんが多いです。
田舎好きな私は散策したくなります。
食堂のおばあちゃんの食事を作る場所にひょうたんをふたつに割ったものがかかっていました。
じーっと眺めていると、私にあげるとくれました。
更に、もう片方もくれました。
感動して大事にリュックにしまおうとしたら…パキィ…あ、やばし…少し割れました。
しかし、そこは創意工夫、米を塗って固めました。
利川の米は有名なのです。
粘土と砂が混ざった土壌と秋の日照時間の長さが、利川の米を美味しくするそうです。
そこら辺にも床の上に米が積み上げられています。
日本で言う五分付きみたいな精米をあまりせず、栄養価が高いような米でした。
おばあちゃんに裏の薪にも案内されました。
火で炊いているらしく感動しました。
宣伝しておいて欲しいようでしたから、宣伝しておきます。
帰りはタクシーを呼ぼうと、タクシー会社に電話をお願いすると…
眼鏡を掛けた中年の息子さんらしい男性がなんと自家用車で送ってくれると言うのです。
タクシーが来るまで時間がかかるかららしいです。
軍団長「キミがこの店を選んで正解だったねえ?」
と軍団長も喜びます。
私「…まあ…そうですね…(ドヤ顔)」
車で送迎される時に、チムジルバンの話が出てきました。
行ったことがないと言うと、行ってみたが良いみたいな話でした。
ここを右に行けば駅、左に行けばチムジルバンの分岐点の所で降ろしてもらいました。
ミランダホテルの温泉へ行ってみるが・・・
ミランダと言う温泉やプールのあるホテルがあります。
しかしながら、午後8時で閉まるらしく入れません。周りは結構暗くなっています。
私たちは、その裏辺りにも温泉があるという情報を聞いて向かいます。
中に入ると料金を払う場所と中身が動くバーで仕切られていて、まるで空港のようでした。
そこは日本の銭湯にそっくりでした。
ババンババンバンバンとドリフの歌が流れそうな雰囲気でした。
ババンババンバンバンは風呂、風呂、風呂とフランス語を連発してるらしいです。
銭湯ぽい温泉です。
北朝鮮でもホテルに銭湯がありましたが、水着を来た子供が泳いでいたり、全裸で入る大人がいたりして、まちまちでした。
韓国はみんな服を着ないで日本同様に入ります。
韓国スタイルの方が日本の温泉や銭湯ぽいです。
帰りは暗いので温泉スタッフにタクシーを呼んでもらいました。
無事に駅に着いて、ギャルたちがいたので帰り道を聞こうとしましたが、あまりこちらに構う様子もありません。
ソウルなどでは観光客に構う人が結構いますが、都会と違って観光客に慣れてないのかも知れません。
しかし、日本では絶滅危惧種のギャルが韓国の田舎町にいるのは感激しました。(笑)
こんな片田舎でも、若者はギャルなどがいるのですね。
陶芸家の頑固親父に反発してギャル化したわけでも無さそうです。
陶芸の街とは言えども、全員が陶芸家では無いようですからね。
利川陶芸村まとめ
韓国随一の陶芸の街である利川。大都会のソウルと違い、古い時代の韓国の良さが残っているエリアでもあるので、昔の雰囲気を味わいたい人にもおススメ。
また、利川米は有名で美味しいのでグルメ目的であったり、伝統のある温泉目的で立ち寄るのも良いでしょう。
ソウルから日帰りも可能な距離なので、ソウル旅行とセットで訪れてみるのが良いかもしれませんね。
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